解説

 

 

物語

 

 

 

 

◎さわたり組演劇公演『☆組風★宮澤賢治童話・第四巻』上演作品の紹介◎

 

☆組風★序文
 

 宮澤賢治の生前に刊行された唯一の童話集である『注文の多い料理店』(大正13年12月1日発行。)の狃瓩箸靴瞳任欧蕕譴晋斥奸
 すべての賢治童話の世界へとつながっていく序文であり、やさしく美しい表現で綴られた、もっとも美しい日本語のひとつ。
 さわたりは、劇団気まぐれ座時代に15年間全国約500回の上演を重ねた、出前芝居『宮澤賢治童話集』の冒頭で必ずこの序文を演じていました。
 2004年にさわたり組で『想稿・銀河鉄道の夜』を上演することになった時、たとえ脚色された台本であったとしても、宮澤賢治の童話作品である以上、やはりその冒頭には序文があるべきなのではないか、という思いから幕開けの場面に挿入。さわたり組による初の序文上演となりました。
 その後さわたり組は、宮澤賢治の童話を原文のまま芝居にして上演する『☆組

風★宮澤賢治童話』シリーズを開始。
 改めて序文を上演作品として取り上げるにあたり、序文の持つ透明な美しさをよりあらわし、表現の幅を広げるために、手話を交えたかたちで上演するというプランが、さわたりから提示されました。
 基本的な手話の勉強をしながら、独自の手話訳台本を作成。2005年の「セロ弾きのゴーシュ」公演で『☆組風★序文』として初演(右上写真)。
 その後は、手話台本の推敲と演出の改良をし続けながら、2006年(左右下写真)、2007年と『☆組風★宮澤賢治童話』での上演を重ねてきました。
 『☆組風★宮澤賢治童話・第四巻』でも、より進化し、洗練された、新ヴァージョンによる『☆組風★序文』をお届けします。

 

フランドン農学校の豚
 

◎解説◎
 宮澤賢治の童話作品のほとんどが、生前に発表されると言う機会に恵まれませんでしたが、「フランドン農学校の豚」も、そんな生前未発表原稿のひとつです。
 原稿の一部は紛失しており、「フランドン農学校の豚」という題名も、慣用仮題にすぎないそうです。
 原稿の欄外に“Fantasies in the Faries Agricultural School”という鉛筆の書き込みがあるそうで、このことから賢治が物語の舞台を「ファリーズ農学校」としようとしていたのではないかという見方もあるそうです。
 また原稿には「フランダン」と記された箇所もあるそうです。
 一旦清書した原稿に、賢治自身による手入れが、計5回にわたってなされているそうで、全集本には〔初期形〕として2回目の手入れ結果も収録されています。
 今回さわたり組では、一般に浸透している、「フランドン農学校の豚」というタイトルの、5回目の手入れ結果である、言わば〔最終形〕にあたる原稿を、すべてそのままセリフにして上演します。
 農学校の畜舎で飼育され、ただ殺されていくしかない一頭の豚の運命を、その豚の主観から綴るという非常に重い内容の作品ではありますが、その文体は実にリズミカルであり、豚をはじめ、農学校長、畜産学の教師、その助手といった登場人物たちの言動、性格なども活き活きと描かれており、詩人・宮澤賢治の面目躍如

たる美しく透明な表現も随所に見られます。
 宮澤賢治童話の中でも屈指の傑作であることは言うまでもなく、テンポ良く、ドラマティックな展開は、演劇作品として見たとしても、非常に優れたものであることは間違いありません。
 2008年、さわたり組が全力を挙げて臨む『☆組風★宮澤賢治童話』の新作「フランドン農学校の豚」に、どうぞご期待ください!

◎物語◎
 フランドン農学校の畜舎で飼われている豚、“ヨークシャイヤ”
(※Yorkshire・イギリス・ヨークシャー州地方原産の豚の品種。主役の豚の名前を示す固有名詞ではない。)は、頭も良く、舌も柔らかで、人間の言葉をよく理解し、また、流暢に話すことも出来ました。
 さて、“ヨークシャイヤ”が、農学校の畜産学の教師や助手、畜舎を見学に来る学生たちの言動などを日々聞いているうちに、自らがやがて迎える家畜としての運命に微かな不安を抱き始めた頃、その国の王から一つの布告が発令されました。

 それは“家畜撲殺同意調印法”と言い、誰でも、家畜を殺そうという者は、その家畜から死亡承諾書を受け取ること、また、その承諾証書には家畜の調印を要すると言う布告でした。
 それからというものは、牛でも馬でも、あらゆる家畜たちは、殺される前の日には、主人から調印を無理矢理強いられて、自分の撲殺に同意せざるを得なくなってしまったのでした。
 そしてそれは、フランドンの“ヨークシャイヤ”に対しても、例外ではありませんでした。
 ある日のこと、「充分に肉も付き、脂もうまくかかり、もう明日だって明後日だって構わない。」と判断した畜産学の教師に急かされて、死亡証書の大きな黄色の紙を持ったフランドン農学校長が、とうとう“ヨークシャイヤ”の畜舎へとやって来たのです・・・。
 “ヨークシャイヤ”を待ち受ける過酷な運命と、その結末までのドラマを、是非、劇場であなた自身の目で見届けてください。
 さわたり組演劇公演『☆組風★宮澤賢治童話・第四巻』 「フランドン農学校の豚」

・・・こんどの宮澤賢治には覚悟が必要です・・・。

 

 

 

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